野良犬 (BS) 1949年 

POINT:★ ざわざわっ
野良犬<普及版>野良犬<普及版>
あらすじ:
刑事村上はある日バスの中でスリにピストルを盗まれてしまう。自分のピストルが犯罪につかわれないか気が気でない村上だったが、案の定強盗に使われ、その捜査に加わることになる。
監督:黒澤明 キャスト:三船敏郎、志村喬、木村功、淡路恵子、本間文子
商品詳細を見る

第二次大戦後のごちゃごちゃした東京を舞台に乾いた砂っぽい暑苦しい炎天下、むさくるしい男がさ迷い歩く。戦争直後の雰囲気がそこかしこに現れていて、それでも人は逞しくてなんとか戦争の傷や思いや喪失を癒そうと必死に復興しているなかにスリとか闇市とかそういう悪い部分も必要悪なんだなと納得させる混沌とした世界。それを最も具現化したのは一番最後の犯人とのシーンで、これまで分かれていたものが2つの世界の対比として鮮やかに混沌に帰る。サスペンス物としてみると確かに今から見ると一本調子で古臭いのかもしれないけど、人間ドラマとしてみるとかなりパワフルというか、なんだか人間が濃いんだよなー濃いっていうか塊っていうか質量を感じる。カメラワークとか構成もさることながらそういう質量があってこそいきてくるんだなあと思う作品。それにしてもミッフーが若いですねー。しかし本当に暑苦しいっていうか焦燥っていうか今の日本にないドサ周りっぽい雰囲気がむんむん。夏にはムカナイw

みなさん、さようなら (BS) 2003年 

POINT:- たんたん。
みなさん、さようならみなさん、さようなら
あらすじ:
レミは末期癌で死の床にいた。レミは息子のセバスチャンとは不仲だったが母親のとりなしでセバスチャンはレミを尋ねる。
監督:ドゥニ・アルカン キャスト:マリ=ジョゼ・クローズ、マリナ・ハンズ、クリス・エバート
商品詳細を見る

末期癌の父親がなくなるまでの親子を描くっていうとなんだかとても感動テイストなんですが、中身は全然ちがくて父は女好きで息子は成金である意味手段を選ばない、ってのでまああんまりハートフルな感じでもないし、そもそも非常に淡々と描いているんだ。そういう意味でストーリーはあまりヒューマンドラマ系の面白みはなく、寧ろ殺伐とした雰囲気すら醸す。ある意味ここまでしていいのか、と思わなくもないのだけれども、そもそも共感を求めるような作りでは更々ないからなぁ。死を前にして何をするかってのは超個人的な話なわけだがそれにしたってどの人物にも共感はできず、その関係性というかスタイルに面白みを感じる部分はある、のだがやはり突き放されすぎていて面白みにはかける作品(イマイチ自分で何いってるのかよくわからないのはアレ)。ただこれは親子の確執っていう以上にある意味ご当地物(カナダだからちょっと違うけど)で、社会主義の哀愁と資本主義の利己を投影させていて、それの調和を試みつつも父は死んでしまう、という話でもある。構造的には面白い作品だな。

華栄の丘 宮城谷昌光 (本) 

POINT:★★ 文体が好き。
華栄の丘 (文春文庫)華栄の丘 (文春文庫)
あらすじ:
華元は宋の国の名家であったが祖父の因縁であまり省みられない家の当主だった。その人柄は穏当で市井の人気もあった。そんなある日王姫からの紹介をうけて公子が華元を尋ねてくる。
宮城谷 昌光
商品詳細を見る

春秋戦国時代は結構好きなんですが、そのなかでも宋というあまり目立たない国の宰相となった人のお話。華元自体それほど史実でも華やかな人ではないのですが、華元の一生を豊かに描いた作品です。確かにあんまり印象のある人ではなかったかも。宮城谷昌光の文章って穏やかな感じなのにノリがあって結構好きなんですが、それ以上に状況説明が上手いと思った。説明っていうと少し御幣があるけれども、状況を読んでても気がつかないうちに普通の文章に普通に織り込めるのってやっぱ上手いと思う。現在進行を感じる部分もうまくて、なんだろうね、主に華元の視点で物事が展開していくんだけど、夏目漱石の夢十夜みたいなかんじで時系列の描き方がちょっと特殊な気がする。それにしても春秋の頃の小説を見るとのどかだなあといつも思うんですが、行間から華元ってのは随分苦労したんだろうなあ、ってのも窺えたりするのです。そしていつもどおり非常に読みやすい。

麻雀放浪記 (BS) 1984年 

POINT:★★ うわーうらぶれてる。
麻雀放浪記麻雀放浪記
あらすじ:
盛り場をうろついていた哲はある切欠で雀荘に転がり込む。そこでプロの賭博師ドサ健と出会い、一儲けしようというドサ健とともに進駐軍のクラブを訪れる。
監督:和田誠  キャスト:真田広之、大竹しのぶ、加賀まりこ、内藤陳、笹野高史
商品詳細を見る

麻雀放浪記というより坊や哲というほうが多分名が通っているんだろう、普通の博徒の話という以上に埃っぽいというかうらぶれているというか一種独特な胡乱な雰囲気を醸し出しているのに、博徒たちの中にも其々筋があるんだというのがささやかにそこはかとなく描かれている稀有な作品。そのささやかさがまたよい。そしていろんな意味でストレート。それにしてもなんですかね、この場末臭は。展開もまた救われないんだけれども、どことなく騙される自分が悪かったんだっていう空気が自然とにじんでて相手を非難したりしないんだ。そのへんの隠れた潔さなんかもまた心地よかったりするんだけど、ともあれ不器用ながら生々しい。まぁあんまりガツガツしてないあたり実際わりとクリーンで原作のようなシビアさはあんまりないんだ。あとは面白かったのはキャスティングかなぁ。大竹しのぶも若いし、ってのはあんまり関係ないんだけど田舎っぽさとか出目徳の飄々としたところとか、女衒の辰の裏街道的な筋通しとかそういうのが非常に面白かった。ドサ健もよかったんだけど、イメージ的にちょっとかっこよさすぎね?

バックドラフト (BS) 1991年 

POINT:★★★ 演出がいい。
バックドラフトバックドラフト
あらすじ:
幼い頃火災現場で消防士である父を失った兄弟はその後消防士への道を辿った。
監督:ロン・ハワード キャスト:カート・ラッセル、ウィリアム・ボールドウィン、ロバート・デ・ニーロ(、スコット・グレン
商品詳細を見る

久しぶりに見てみたんだけど炎の表現と使い方が凄い上手くてびびった。確かに今の炎ゴォゴォな消火映画に比べると派手ではないかもしれないが地面を這う炎やフラッシュバックなんか炎の動きが生々しい。これもう20年弱前になるんだよね、そう考えると素晴らしいわ。撮るの大変だったんじゃないかな。基本的に兄弟の確執から兄弟愛を描いていくのをベースにそれを取り巻く放火、政治、その他諸々のサスペンス的要素を多少だけ加味しながらダイナミックな火災現場を描いていく作品、でサスペンス部分はちょっと弱いのだけれども緩急がうまくて引き込まれてく。今から見ると展開はありきたりなのにやっぱり編集が上手いんだろうなあ。まあ兄より弟のほうが年上に見えたりするのは仕様とか。俳優陣も拮抗が取れていてよかったです、俳優バランスがいい映画って案外難しいのかもしれない、一番うまかったのはサザーランドだったりするんですが。一番驚いたのは子供も見るタイプの映画だろうにエロもグロも案外濃厚だったあたりか。濃いほうがアクション系の映画は面白いと思うんだけどね。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? フィリップ・K・ディック (本) 

POINT:★★★★ 長い長い一日の物語。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
あらすじ:
戦争後の地球は放射能に汚染され、正常な者は火星への移住を推奨されていた。リックは逃亡アンドロイドを仕留めるバウンティーハンターであり、その日の朝8人のアンドロイドが逃亡したという一報を手に入れる。
著者:フィリップ・K・ディック 訳者:浅倉 久志
商品詳細を見る

ブレランの原作で有名な(でも中身は全然違う)本作、っていうかSF小説読むのってほぼ初めてに近いんですがすげぇ面白かった。やけに淡々とした文章で繰り広げられるのだけど、世界観が結構緻密に練り上げられていてアンドロイド、電気羊、ガマガエル、マーサーという登場人物(?)に対して少ない言葉で膨大なイメージを付与している。一つ一つ事物から世界観への繋がりを感じさせる作品で、その世界観自体は現在(リアル)と随分違ったものなのだけど、それでも根底的に現在を感じる作品。70年代の作品だが現在に繋がる人間社会をベースにもう一つ別の近未来を描いているわけで、行間にあふれ出る存在感はなんなんだろう?多分今の人間がもっているBASEを同じようにもちながら描いているからじゃないかな、舞台が近未来なのでよりビビッドになってるだけで。例えば普通の小説で蜘蛛が絶滅したとしても、これほど生物に対しての驚嘆を書き表すのは至難の業だろうね、ということで非常に淡々とした文体なんだけど物凄い文章上手いんだわと思う。あと全体を通しての緩急もうまい、普通に読んでたらさらっと流れるようなんだがよく考えてみるとこのストーリーテリング絶妙にうまい。ただまじで淡々としてるので文体が苦手な人はキツイと思う、村上春樹苦手な人とか。なんにしろ最後にフッと振り返った瞬間が最高。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾! (民放) 2007年 

POINT:★ 面白いには面白いのだけど。
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!
あらすじ:
海岸でしんのすけがシロと遊んでいるとシロのお尻に地球が吹っ飛ぶような爆弾が装着されていた。爆弾をなんとか宇宙外に排出しようとするUNTIと爆弾をいけにえにしよう(?)とするひなげし歌劇団がシロを奪おうと野原家にやってくる。
監督:ムトウユージ
商品詳細を見る

面白いには面白いのだけれども短絡的すぎる感じ。下品なのはおいといて細かいネタとしては面白いんだけれども全体的に見ると結局宇宙人は何がしたいのかとかひなげし歌劇団が何がしたかったのかさっぱりわからないしストーリーとしては凄く微妙。下品なところは子供向けなんだろうけど、ひなげしとかは大人向けなターゲットなあたりもバラバラ感を増している。でもあんな絵柄なのにエフェクトや動きが妙に細かかったりするし作画方面ではなんかやけに頑張ってたので若干+(あんな絵なので絵がいいというわけではないんだけど)。個人的に微妙なのがテーマ性か。ストーリー全体があってないようなものなのでやけに目立つのかもしれない、というか妙にういてる。ようするに色々細かく計画するより人生にはやらなければいけないことがある、みたいな部分がある意味テーマになってるんだけど本当に無計画で目の前のことばっかりなのでちょっと引いた。私も計画的な方ではないんだがこの今がよければそれでいい(失敗したらシラネ)的な雰囲気はやはりどうにも好きになれない。でも最近多いよね。

黒い雨 (BS) 1989年 

POINT:★ 地味重い。
黒い雨黒い雨
45年、広島に原爆がおちたとき、矢須子は瀬戸内海の小船で黒い雨を浴びた。それから幾年月、かつて恐ろしい光景が繰り広げられた広島はいつしか再興していたが矢須子にはいつまでも縁談がこなかった。
監督:今村昌平 キャスト:田中好子、北村和夫、市原悦子、原ひさ子
商品詳細を見る

広島に原爆がおちるのだけど5年くらいしたあとのお話。戦争はおわって街は綺麗になって、原爆反対運動が矢須子達とまったく関係ないところで繰り広げられていって、そんな人々はどこか明るいのだけれども傷ついた人々は暗くひっそりと傷ついたままで、ある日突然調子が悪くなる。そんな感じの激しく陰鬱な映画だった。原爆投下後のシーンはまあ結構グロくはあるんだけれども、そんなショッキングなシーンより普通に話してて突然エンジンの音が聞こえたり、髪が抜けたりする普通の日常の中での表情が怖い。そんな感じで地味なある意味サイコホラーを突き進んでいる作品ですが展開がストレートなんだこれが。主人公の矢須子は美人なんだけれども抑えた演技であまり花がなく、周辺の人々もどこか陰鬱で、最後まで明るいシーンがない。んで他の今村作品みたいなすげー暗い重い作品でもどっか壊れた明るさがないんだ、凹む。見てて暗くなる映画なのは間違いないんですがそれ以上に淡々と描かれているので地味好きじゃないと厳しいかもしれん。

ホーンティング (民放) 1999年 

POINT:- 期待しなければそんなに。
ホーンティング (初回限定生産)ホーンティング (初回限定生産)
あらすじ:
エレノア達は不眠症についての実験の被験者としてある古い屋敷に集まった。そこは古びてはいるがゴシックな装飾がゴテゴテされた館で、そこで子供の声を聞く。
監督 ヤン・デ・ボン キャスト:リリ・テイラー、リーアム・ニーソン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、オーウェン・ウィルソン
商品詳細を見る

評判がメタメタな作品なんですが、キャストに惑わされずC級の駄ホラーとしてみると無駄にCGに金かかっているなあーとかエレノアの顔が怖ぇよ!とかそれなりに面白い。いや、これ話テンプレすぎるし怖くも意外でもない、そんな話を真面目にオーソドックスに描くのでもなくCGと派手なキャストで演出っていう時点で費用対効果悪いと思うんだ、その割りにエロが微塵もないとかキャスティングから間違ってる気がする。個人的には派手なホラーはエロとワンセットだと思ってるんだけど。あと複線の拾い方が下手な気がする。例えば最初のほうの家にいてもノックが聞こえるとかそういうのをちゃんとうまく活用されてなかったりするしなんか色々勿体無い。妄想かどうかのラインも物凄くバッサリ切り分けちゃうし。ただこれホラーでは珍しく基本的にダークエンドじゃないんですな。その辺である意味驚いたんだがそう考えるとこれを軽く描くならそもそも最初から面白くするのは結構ハードルが高いんじゃないかなあ。

ニルスのふしぎな旅 劇場版 (BS) 1982年 

POINT:- 普通。
ニルスのふしぎな旅 劇場版ニルスのふしぎな旅 劇場版
あらすじ:
ニルスはある日台所で小人を捕まえたが、怒った小人はニルスに小さくなる魔法をかけた。動物の声が聞こえるようになったニルスは鳥のふるさとを求めてガチョウの背中にのって旅立つ。
監督:鳥海永行
商品詳細を見る

ちょっとあらすじも適当なんですが、長いテレビ版を100分ほどに短縮した作品でダイジェストすぎて若干盛り上がりにかける。王様の銅像とか動物園とか盛り上がりそうなポイントが時間の関係で(ry。うん、面白いのは面白いんだけれども全体的に平均化されているというか、目立つイベントって多分よくある展開なんだよなって思う作品。簡単にいって帰ってきちゃった感じのところもなんか勿体無い。ということで本来割と壮大な話のはずなんだが結果的に子供向けになってしまった。ただこれ、旅物語なんですがニルスの成長も同時に描いていて、オープニングはニルスはかなりやな感じの子供だったのが不思議とエンディングではいい感じの少年になっているのに違和感がないのはやっぱりうまいんだろうなあ、いや本当酷いですよ最初のニルス。ついでにいうと監督のジャンルがちょっと違うような気がしなくもない。

skin presented by myhurt : BLOG | SKIN
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー  1GB!FC2ブログ(blog)
copyright © 2005 ストック切れ間近。 映画と本とその他こもごも(仮 all rights reserved. Powered by FC2ブログ